賢者ゲオクラテス・ヴァーナスによる解説




 壊れた狭間胸壁と大破した壁恐怖(1)の崇拝が一時受け入れられた場所。
 50回の冬(2)の傷、霜と風不浄の門を砕き、穴を開け、そして、酷くみだらな尖塔を降ろさせた。
 すべては塵、すべては塵にすぎない。
 血は乾き、そして悲鳴はこだまして消えた。
 荒れた丘に囲まれた、見捨てられた場所モロウウィンドのアベルナニットの不毛な骨がある。

 三度祝福されたランギディル(3)が初めてアベルナニットを見たときは、力と不変性で光沢のある銀色に輝いていた。
 恐ろしい場所を恐ろしい男たちが守っている熱を帯びた硝子の目と恐怖を介しての力敵数のほうが遥かに多いのをランギディルは見た。
 彼が率いる数名のオーディネーターとボイアント・アーミガーよりも、野原と死の城を上の丘から見る、建っている間は、人々の魂を呪ったモロウウィンドのアベルナニット、呪われた邪悪な城。

 合図が鳴らされ、神聖な戦士を戦場へ呼んでいる悪しき者の盾に正義の槍でこたえるために、前で戦い勇敢になるために彼ら自身の心を鋼に。
 盾と薄い黒檀の槍をランギディルもつかんだ戦いの喧噪が鳴り響く衝突とともに始まった空から雲を揺すり落とすために。
 防御壁は崩され、血が止まった野原の地面、唯一無二の戦いモロウウィンドのアベルナニットの悪を滅ぼすために。

 確かに、乱心の大群は武器に長けていた、しかし、三つの聖なる拳、母、卿、ウィザード(4)は押し進んだ怪物の軍は突撃に次ぐ突撃のあとに戻ってくる。
 ランギディルは上から見た、軍に防衛するよう駆り立てた、ダゴス・スラス(5)彼自身が邪悪な塔の尖塔にいる、悪の心を捕まえたときに限り土地は真に救われるであろう。
 そして彼は神殿と聖なる法廷に忠誠を誓うモロウウィンドのアベルナニットの塔をとるために。

 強烈な押しで、塔の土台は貫かれた、しかし、尖塔を落すすべての努力は無意味であった恐怖のすべての力があの1個の塔を支えているかのように。
 登り階段は急で細く戦士2人が並んで昇れない。
 軍を1列に、上へ上へとよじ登った塔の部屋をとって支配を終わらせるために史記の中の一番残酷でつまらない暴君の1人モロウウィンドのアベルナニットのダゴス・スラス。

 彼らは先発からのときの声を待って塔をよじ登ったしかし、沈黙のみ戻った、そして血、最初はただの小川、そして勢いのよい緋色上からの叫びとともに、階段を流れ落ちた、「ダゴス・スラスは我らの軍を一人一人倒している!」ランギディルは軍を呼び戻し、オーディネーター全員と、ボイアント・アーミガー、そして彼自身で階段を登り、最高の戦士たちの血だらけの亡骸を通りすぎたモロウウィンドのアベルナニットの塔の部屋へ。

 ダゴス・スラスは死のカラスが巣に乗っているようであった塔の部屋の扉で、血だらけの盾と血だらけの刃を握りしめている。
 ランギディルの槍のすべての猛攻は容易く防御されランギディルの剣のすべての斬撃は跳ね返されランギディルのメイスのすべての打撃は盾にあたったすべての速射も的がない怪物の最高の力はその恐ろしい祝福にありどの戦士からのどの武器もどこからでもモロウウィンドのアベルナニットの盾を越えられない。

 時がすぎ、ランギディルは理解したダゴス・スラスで、どのようにして最高の戦士たちが最後を迎えたか。
 彼らの攻撃を防ぐことで、彼らを疲れ果てさせることができるのだそして、故に弱まって、彼らは簡単に切り倒された。
 悪人は辛抱強く、そして盾使いが巧みであった。
 ランギディルは自らの強い腕がしびれてくるのを感じたその間、ダゴス・スラスはすべての斬撃を予測して防御した。
 ランギディルは神聖なる3人の祝福なくしてはモロウウィンドのアベルナニットの塔で死ぬと懸念した。

 しかし、彼は叫びながら打撃を浴びせかけた、「敵よ!我はランギディル、真実の神殿の王子、我は多くの戦闘で多くの戦士と戦い彼らは我が刃を止めようと試み、失敗した。
 我がどの打撃を放つかを予測できるものは数少ない、予測できても、その攻撃を止められるもの、または、我が攻撃を受け止められるものはさらに少ない。
 より素晴らしい盾防御のマスターはそこにもいないモロウウィンドのアベルナニットの城以外には。

 我が敵よ、闇の支配者ダゴス・スラス、我を殺す前に、どうして防御のしかたを知っているのかを教えてくれ」途方もなくごう慢なダゴス・スラスはランギディルの嘆願を聞き、神殿のチャンピオンのはらわたをくり抜く前に、死後のために知識を授けてあげようと決め、どう彼の直感と反応が働くか、それを、説明を始めたところ、どうやっているのか知らないことに気がついた、ランギディルが繰り出すのを、困惑しながら見ていた、モロウウィンドの「アベルナニット必殺の一撃」を。



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ゲオクラテス・ヴァーナス 注釈:
(1)「恐怖」とはデイドラの王子メエルーンズ・デイゴンのことである。
(2)「50回目の冬」は、叙事詩が第三紀150年に行われた、アベルナニット攻城戦の50年後に執筆されたことを示唆する。
(3)「3度祝福されたランギディル」はランギディル・ケティルであり、第二紀803年に生まれ、第三紀195年に死去している。彼はテンプル・オーディネーターの指揮官、そして神々の法廷によって祝福されることによって、「3度祝福された」ことになる。
(4)「母、卿、ウィザード」とは、アルマレクシア、ヴィベク、ソーサ・シルの法廷のことである。
(5)「ダゴス・スラス」は出所不明な強力なデイドラ崇拝者であり、彼自身は6番目の家の継承者であると宣言したが、彼がその滅んだ家系に由来するという証拠は少ない。