ついに降参し、ウリンに“ムズンドの顔”を取り戻す手伝いをすると言ってしまった。ずっと彼の心配の種となっている品だ。たかがドワーフの兜になぜそこまで執着するのか、こちらには知る由もないが、いずれにせよ彼には恩義がある。




歯車を渡り終えたところで、私たちはひと息入れるために足を止めた。驚くべき所だが、見たところ何の役にも立ちそうにない所だとしか言えない。なぜドワーフたちは良質な金属をこれほど無駄に使って、歯車だの、配管だの、構造物だのを作ろうとするのか。私には皆目見当も付かない。歯車の上でぐるぐる回っている最中に、金属製のクモを数匹退治しなくてはならなかった。あまりに目が回って、危うく墜落するところだった。