エルヤ・エルデイン 著


第6幕 第2場 続き


 クルーンテイル
 奥様、ご要望にはお応えいたしかねます!

 エルヤ・エルデイン
 あら、あなたには速すぎて?

 クルーンテイル
 楽器を傷めてしまうのではないかと。

 エルヤ・エルデイン
 でもあなたは楽器の扱いがとても上手そうに見えてよ。

 クルーンテイル
 おだてないでくださいまし。

 エルヤ・エルデイン
 本当よ。ずいぶん大きくて立派な楽器ね。触っても良いかしら?

 クルーンテイル
 お願いですからおやめください!人目につく場所でそのようなことを、宿屋の主人は許すはずがありません。

 エルヤ・エルデイン
 では人目につかない場所で披露してはもらえない?できれば宿屋の騒音が届かない、お互いにあなたの非凡な才能を堪能できるような場所で。

 クルーンテイル
 まさか奥様のお部屋にご一緒するようにと仰るのですか?

 エルヤ・エルデイン
 そのとおりよ。可愛い人。正にそう言っているの。

  第4幕 第2場 了(原文ママ)