植物学者のスカイリムガイド
アグニタ・ファリア




 北方の地域を野蛮だとか気候が心配という理由で避けている人は、損をしている。

 実際、スカイリムは錬金術師が利用できる素材の宝庫である。

 私は様々な土地を旅して、いくつかの発見をした。


植物1

出血の王冠

 暗く湿気の多い場所で成長するためわかりづらいが、このキノコのかさは確かに血でまみれている。スカイリムではあまり珍しくないが、その豊富さは獲得の難しさで相殺される。経験豊富な植物学者なら誰でもわかるが、洞窟で最も暗い場所には普通じゃないキノコが隠れている。しかし、この強力な菌類はある鹿の角の粉末と合わせると、毒の影響を受けやすい調合物ができあがる。その実用性もラベンダーと混ぜた時はかなり明白で、高い魔法耐性を持つ物質となる。


植物2

デスベル

 ハイヤルマーチの沼地で発見されたこの花に関する民間伝承は多い。不運な死が起きた場所に成長すると言う話もあれば、この花が不注意な人間や動物を死に誘うという話もある。これらの話を直接裏付ける証拠は見つからなかった。この花を見つけること自体、非常に困難だからである。毒としての利用方法がよく知られているが、デスベルの花が錬金の技術を向上させるのに効果的な点は見逃せない。


植物3

ドラゴンフライ

 驚くべき数の昆虫がスカイリムの気候を生き抜いているが、多くは南側に存在している。ドラゴンフライは至る所で見つけられ、捕獲するのには骨が折れるが、その価値は十分にあると言えるだろう。オレンジ色と青色のドラゴンフライはまったく違う種類なのか、ただの色の多様さなのか判断を下すのは調査の範囲外だが、実験を通して、オレンジのドラゴンフライは海岸沿いで見つかる非常に硬いバーナクルと合わせると、その気まぐれな性質が移って植物学者の手先が器用になる事が分かった。


植物4

ハグレイブンの爪

 ハグレイブンの爪は店で手に入れるのが一番だ。自分で集める事はお勧めしない。この生物は人間性を捨てて強力な魔法を手に入れており、その変化が全身に力の要素を注ぎ込んでいる。爪の粉末を摂取すると魔法への耐性が上がるが、特に面白い爪の性質はスノーベリー(スカイリムの標高の高いところでよく見つかる)を混ぜた時に明らかになる。調合物を摂取した後、不可解だと思っていた魔法を理解できるようになった。この知識を王宮魔術師たちに伝えたところ、とても感謝されたほどだ。


植物5

ジャズベイ

 皇帝から許可を得ずにブドウを取ると反逆罪に問われる時代があった。スカイリムの栽培者は果物の生存性を向上させる事に成功したが、その分、香りが犠牲になったとも言える。もはや昔ほどの価値はない。それでもイーストマーチにある火山のツンドラで育つそれは、薬の調合に大いに役立つ。単にニンニクと混ぜてもマジカの回復を強化できるため、魔術師にとても重宝されている。もう違法ではないが、大量にブドウを摘む時は口外しない方がいい。


植物6

ルナ・モス・ウィング

 ドラゴンフライと同様に、数多くの蝶や蛾といった昆虫がスカイリムに多く生息しているのには驚いた。ルナ・モスは特に美しい。その薄くはかない羽は空を飛ぶのすら難しいほど繊細に見える。その姿からは、神秘的な印象すら受けるほどだ。その感覚は、彼らを粉々にして蒸留した時の性質でも同じことが言える(最初は実行するのにためらったが、どんなことをしてもスカイリムが与えてくれるすべての神秘を解き明かさねばならない。この生物はそれほどまでに美しい!)これらはマジカにダメージを与える薬にも使えるが、この虫の潜在力を無駄にしていると思える。羽が完全に折れていても心配はいらない。すり潰せば消えて入るようにすら見える。この性質のおかげで、羽は透明化の薬にとても効果的だ!


植物7

ツンドラの綿

 全てのノルド人が野蛮で、動物の毛皮を被り、月に向かって吠える訳ではない。土地によって多種多様な布が着られているが、それは丈夫なツンドラの綿の植物によるところが大きい。ホワイトランの西にある平原で雨を吸収して育ち、頻繁に咲く。錬金術にとってさほど魅力的な性質はないが、マジカだけでなく、呪文への耐性を強化する安定した薬になる。この性質があるために、この気候にも適応できたのだろう。


植物8

ベラドンナ

 この植物の名前と形は誰もが知っている。数ある毒の中でも強力な成分を持つものだと昔から知られてきた。普通のノルド人は黒い葉の中に咲く明るい紫色の花には近づかない。これは純粋な毒として非常に効果的だが、他の複合物と混ぜれば関節を固くすることもできる。それ故に、戦闘で敵を動けなくしたい場合に重宝され、スカイリムにいる物騒な連中の剣にはよくこれが塗られている。