ドゥーマーの調査書 第3巻
彼らの建築様式と文明


セルウィ・ゲレイン、学者 著




 私の研究と本論は、ヴァーデンフェル西にあるドゥーマーの考古学的な遺跡が、レッドマウンテンの高さよりもずっと深くに建設されたという事実に焦点を当てている。
 坑道を掘るドワーフが、建造物の命である土台を作り始める、その前に掘った入口があったのである。

 この入口を「ジオクライン」と呼んだが、多くはディープ・ベニューの居留地の一端だと分かった。依然として、ディープ・ベニューの実際の深さは様々であるが、ジオクラインは常に都市が始まる目印だと結論づける。

 地下道や部屋はより浅い部分にあり、その建築様式ゆえに素晴らしいが、都市の重要な施設として利用されることは少なかったようだ。
 余剰の食料を売る店や倉庫は近隣の集落との物々交換に使われ、また上層巡回のための兵舎はジオクラインの上にあるのが一般的である。

 この地下道を調べたが、下のほうに計画された構造物よりもずっと不規則に曲がりくねっているようだ。
 これは、ドゥーマーのような賢い種族であっても、掘削するうえで予想不可能な自然的要因によるものであろう。
 確かに予測していなかった岩盤や地質に起因する災害は都市の建設を困難にしたであろうが、そうした偶然と戦ううちに、建設に適した場所の探索に繋がっていったと考えられる。

 地質学的な変則性やドゥーマーの調査書第3巻用として知られる場所に関する廃虚の参考資料を少し見つけた。
 これの興味深いところは、この言葉はいくつかの平板にだけでなく、アリフタンド要塞、イルグンハンド、スカイリムのムジンチャレフトの最も深いところにあった華美な金属板にも登場するのだ。
 これら精巧に掘られた物の意味は解読できていないが、それぞれ廃虚の最深部で見つかったことは非常に奇妙だと考えられる。

「権利持つ者シェズリンのクーレックの命により、特別な任に昇格す。世界を形作る者のため、ホーゲン・クルトラの伝統に則り、クラン住居を建設する」

ドゥーマーの調査書第3巻用の妥当な翻訳として解読したのは、「暗黒の王国領土」だが、どういう意味なのか想像もつかない。

 私が気づかない規則があるのかもしれない。この深まる疑問は、ここ数年間、私の前に何度となく現れては、一生ドワーフの重大な秘密を解き明かせないのではないかという気にさせる。
 答えは目と鼻の先にあるというのに--いや、文字通り、足元であろうか。