アドルフ・エリティウス 著




 このメモはオールド・フロルダンの遺跡付近で見つかった。私がどうにか言えるのは、タイバー・セプティムの治世の少し前に他界した、悪評高い鍛冶屋のソルバルドが書いたものだという事くらいだ。彼は読み書きができないらしく、このメモは明らかに助手が書いたものだと考えると、噂は本当のようだ。歴史的価値があるかも知れないため、文章を正してはいない。

 以下がソルバルドのとりとめのない言葉だ:

 これは偉大な鍛冶屋になるための本ではない。もし読んでるなら止めろ。これは年を取って偏屈で覚えの悪い私の個人的なメモだ。これは私の作り方だ。

 鉄の鎧と武器。大量の鉄のインゴットといくらかの革ひも。

 鋼鉄の鎧と武器。大量の鋼鉄のインゴット、少々の鉄、そしていくらかの革ひも。スチールプレートを取っておく。鋼玉が多少いる。

 革の鎧と武器。誰が革の武器を作るほど馬鹿なんだ? 革の鎧には革がいる。大きいのと小さいのだ。皮の鎧みたいなものだ。そして鋲付きの鎧。スケールの鎧もそうだ。ああ、これには多少鋼鉄もいる。あと鋼玉だ。鋼玉がなければスケールの鎧は作れない。そんなのはゴミだ。

 ドワーフの鎧と武器。ドワーフの金属くず、多少の鉄、革ひも。革というのを止める、いつも使うからな。私が今言ったことを書いたか? 馬鹿野郎!いいからやれ、書くな。(ソルバルドは年寄りで太っている)

 エルフの鎧と武器。エルフとドワーフは仲が悪い。知らなかっただろう。エルフの道具には月長石と少し鉄がいる。黄金の道具以外はな。エルフの黄金鎧を作りたければ、水銀を加えなきゃならない。

 オークの鎧と武器。オリハルコンと鉄を少し使う。(ソルバルドはオークが嫌い)

 黒檀の鎧と武器。黒檀だけを使う。鉄はこれっぽっちもいらない。入れたいだろうけど、駄目だ。

 碧水晶の鎧と武器。クジャク石といくつかの月長石がいる。扱いにくい奴だ、クジャク石はな。

 デイドラの鎧と武器。ハ! 私が言ったように書けよ。(彼はデイドラの心臓を使った。どこで手に入れたか分からない)

 以上だ。書くのを止めていいぞ。止めろと言っただろ!

 追伸--最後のページに大きなインクの線と少し血が飛んでいた。ソルバルドが助手を殴ったと結論づける。ソルバルドが原稿に加えられた本人のものでない意見に気付いたかどうかは知る由もない。

--アドルフ・エリティウス