サルジアス・トゥリアヌス 著




 付呪はアルケイン大学のウィザードによって高度な技術へと発展していった。残念だが帝都が略奪された時に失われた微妙な差異がいくつかある。しかし我々に素質がないわけではない。この教本は付呪の基本しか押さえていない。ウィンターホールド大学の学徒の入門書に過ぎない。




 武器やちょっとした鎧に付呪術をかける前に、ウィザードはまず付呪を学ばなければならない。これは個人の課題だ。魔法は簡単に魔術師から別の魔術師へ渡せるものじゃない。マジックアイテムを壊してその性質を吸収することでしか手に入れられない第一段階を理解する必要がある。


 アルケイン付呪器はこの目的のために特別に設計してある。装置の中にマジックアイテムを置くだけでアイテムが壊れる。魔法は魔術師に流れ込み、付呪がどうやって形作られるのか知識を吸収していく。マジックアイテムの完全破壊は、この過程上避けられない結果だ。


 既に付呪術がかかっているアイテムはそれ以上付呪できないため、剣や兜に付呪術をかける時は慎重に選択することだ。付呪術を始める前に、満杯の魂石を持っているか確認せよ。付呪術はこの魂を力の源として使う。アルケイン付呪器の上にアイテムと魂石を置く。付呪術に集中する。装置が2つを混合させて、武器や鎧に付呪術をかける。


 鎧に付呪術をかけると、効力は永久に続き何かを装填したり、供給する必要がない。この理由は不明だ。大学には装備者が力を少し寄与して鎧の付呪を保っていると考える人もいる。他にも単にマグナスの意思でそういう風に機能するという人もいる。理由はともかく、付呪がかかった鎧や服は決して擦り減らない。


 武器の付呪は別だ。武器は魂の力がなくなるまで使うたびに少しずつ減っていく。武器に付呪は残るが、再び装填するには満杯の魂石が必要だ。破壊するという武器の本質が魂石を消耗させるのかもしれない。興味深い説の1つに、武器で傷つけると魂が少しずつ被害者の中に入っていくという説もある。しかし、初心者付呪師にとって理由なんて取るに足らないことだ。


 まず付呪には大量の魂の力が必要だと分かるだろう。技術を上げれば少ない量の魂の力で同じ効果が出せるようになる。だから練習して魔法の先生を注意して見るんだ。