イングウェ・エメロス 著


ファルメル語からの翻訳:
マルカルスのカルセルモ




 そして雪の王子が地に落ちし時、

 氷のエルフは天と地に分かたれぬ。

 今や打ち負かされ、自由なき身、

 知恵の全ても瞬く間に損なわれた。



 かつてその肌をなでし涼しき風は、

 今や炎の焼けつく熱さに代わりぬ。

 かつてその奥底にありし誇りは、

 その名と共に忘れ去られぬ。



 氷と霜の故郷より引き離され、

 恐ろしき闇夜に捨て去られぬ。

 恐れの中で生きる内に、

 その瞳と心は曇り行きぬ。



 奴隷として鎖をかけられ、

 かつての光は暗闇に変わりぬ。

 頼るものなく、裏切られ、

 迷妄の深みに沈みゆく。