涙の夜
ドラノア・セレス
サールザルという名前を覚えていない者は多いかも知れないが、この場所はスカイリムの歴史の中でも有名は場所である。知っての通り、ノルドの定住地として最初にできた場所の1つであり、スカイリムで初めて人間が住むようになった街の1つであり、知られている中では最古となる文明の中心地でもある。同様に悲惨な虐殺が行われた場所でもあった。結局のところ、エルフがノルドをスカイリムから追い出そうとした事はイスグラモルと彼の伝説的な500の同胞団の逆鱗に触れ、彼らはエルフをスカイリムから追い出し、スカイリムをノルドの国としてしっかりと築いたのである。
これらはすべて良く知られている事だが、他についてはほとんど知られていない。サールザルの壊滅時、涙の夜には何が起こったのか? 何がエルフをあのような計画的な激しい攻撃に駆り立てたのか、そして何が原因でノルドはあのような凄まじい反撃をしたのか?
アルトマーの掟に関するヴィンガルモの論文では、メレシック時代のエルフは同等の初期のドゥーマーと共にタムリエルの中で他の者には真似のできない洗練度を誇っていたのではないかと論じている。彼らは当時の予想を超えてしまう力を示したのだ。これに関して明確な説明は述べられていないが、ヘセフ・キラーニスの初期の書物と比較してこの論文は、サールザルのあの夜、もっとすごい何かが作動していたと提言しているものと考える。
涙の夜に隠された本当の動機は時間の経過と共に闇に紛れてしまったが、領土やスカイリムの支配を巡る単純な戦いではなかったと私は思う。これはかなり特定された何かがベースとなって起こった重大な出来事なのではないだろうか。
ノルドは街を建てる際に地面の奥深くに何かが埋まっているのを見つけた。彼らはそれを埋めたままにしようとしたが、エルフがそれを知り、自分達の物にしたがった。だから彼らはサールザルを始末したのだ。つまり、彼らの目的はノルドを追い出す事ではなく、自分達のためにこの力を確保する事だったのだ。私はイスグラモルはエルフがサールザルの下で見つけるだろう物について何か知っていて、それがエルフの手に渡らないように仲間を結集させたのではないかと思う。そして、ノルドが再びスカイリムを支配すると、この力は地面の奥底に埋められ封じられた。
時間の経過によって事実は分からなくなってしまったが、その時間こそがこれらの真実を明らかにしてくれると願っている。サールザルを再び突き止め、失われてしまった物を見つけるために、あらゆる手を尽くすつもりだ。