南中の月17日
あのいまいましいエルフの策士め! 呪われるがいい! 私の草稿を、私の発見を盗み、それを自分の名で発表するとは! 20年もの人生を費やして遺跡を調べ上げたあげくに、得たものが献辞ひとつだと? 何が“我が友であり同僚でもある”だ。ひとを馬鹿にして!
だが、最後に笑うのはこっちだ。タロンは私の学説を手に入れたかも知れないが、その根拠となるものはまだ何ひとつ持っていない。こっちが先に鋳造器具を探し出すことができれば、これが私の発見だということを世に示せるかもしれない。彼ではなく、私の発見だということをな!
収穫の月4日
手掛かりを見つけた。ムズンドゥのカビ臭い古書の1冊に、鋳造器具に関する記述があった。すっかりボロボロになっているが、何枚かの断片の写しを取ることができた。中には第一紀のドゥーマーの王国の地図もある。戻ったら現代の境界線と比較してみなくては。
これがその結果だ。
1-アルクンザムズ
この“アルクンザムズ”は碑文にも出てきた。間違いなく例のエセリウム研究の主要拠点だ。ここから始めるのが良さそうだ。
2-
“ブサーゼル”(“同盟都市”の意?)との記述あり。だがブサーダムズではない。その北か、北西の川の上に位置する、もっと小さな場所のようだ。
3-
エセリウムの最も主要な供給源。もっと深い鉱床から掘り出した?
4-
ある大都市のすぐ外に位置する未精錬のエセリウムの保管場所。エセリウムは“高調波による爆発を起こしやすい”ため、街の外に置かざるを得なかったのだろう。
5-
名前も、それを特定できる情報もないが、ボロボロの図表が何ページも続いていた。判読できる部分は少なかったが、見たところ、アストロラーベがひとつと、歯車がひとつと、4つのパーツに分かれた一種のクレストか?これが鋳造器具のありかを示しているのだろうか?ともかく何か重要なものではある。
収穫の月22日
アルクンザムズ。私の地図は大ざっぱかも知れないが、ここにたどり着くことはできた。これにもそれなりの意義はあったのかも知れない。
収穫の月23日
宝物庫にたどり着いた。色彩の鍵が掛けられており、まだ機能している。死体があるところを見ると、わなもまだ機能していると考えたほうが無難だろう。
なんの手掛かりも見つからなかったので、見取り図を作って慎重に通過しようと思う。共鳴装置は5つ。音も5つだ。これを正しい順番で打つだけだが、さて・・・