モリック・シドレー 著




ルーンヴァルドの発見を目的とした私たちの発掘作業について、日誌に記録を残しておくことにした。万一失敗した場合も、後続の参考になればという思いからだ。私自身、数え切れない時間を図書館や個人の収集物の中で過ごし、学問の世界の大いなる先人たちに知恵を借りて、現在自分たちがいる場所にたどり着いたのだ。遺跡の中には何かしら偉大な力を持つ秘宝が存在しているはずだ。それは番人たちの任務にも役立つ可能性がある。

大げさに聞こえるかもしれないが、私は背水の陣を敷く覚悟でこの調査に臨んでいる。発掘場所が正しいという確信はある。直感がそう告げるのだ。そして夜になるとルーンヴァルドを発見する夢を見る。目覚めている時ですら、私たちが進んでいる道は正しいと、励ましてくれる声が聞こえるような気がする。

これまでのところ、発掘作業はかなりの幸運に恵まれている。最初のトンネルは、たった数週間で、その下にルーンヴァルドが存在すると思われる大きな立坑に到達した。ちょっとした大工仕事で、山脈の中に最初の活動拠点ができた。この調子で幸運が続けば、記録的な速さで目標を達成できるぞ!


M.シドレー