モリック・シドレー 著




幸運は続いている!降下のスピードを上げるような洞窟や立坑を次々と掘り当てたのみならず、貴重な鉱石の鉱脈も複数見つかった。これで発掘の経済的成功が立証され、目標にさらに近付くため、番人たちから新たな物資や資材や人員が送られて来た。時折喜びを抑えきれず、作業員の前でも陽気に大笑いしがちになってしまった。私らしくないと思う者もいるだろうが、作業員たちも私同様に張り切っている様子だ。目標のためにこれほど一致団結できる人々と仕事をするのは初めてだ。同じ目標に向かって一心不乱に働く人々がこれほど大勢集まるとは、気味が悪いほど恵まれている!ステンダールを称えよ!

あまりに多くのことが順調に進んでいるため、それと比較してささやかに思える問題を記すのは気が引けるが、窮屈な場所にいるせいか、頭痛を感じることが増えた。リーダーの仕事が務まらないほどではないが、それでも時折注意力が落ちていると感じる。作業員との会話の途中で上の空になり、彼らによって現実に呼び戻されることも多々ある。時には、短い間だが自分が何をしていたか記憶がないこともある。目標達成が近付いて浮かれているだけなら良いのだが、下へ掘り進む間は注意しておきたいと思う。寝る前にエールをタンカードに半分も飲めば、この頭痛も解消するかも知れない。


M.シドレー