ペリナルの歌
第7巻:ウマリルとの戦い、そして切断
[編者注:1巻から6巻に収められた文章は、帝都図書館所蔵のいわゆるレマン文書から採られたものである。この文書は、第二紀初期に無名の研究者によって集められたもので、古代文書の断章の写しからなる。古代文書のそもそもの出所は不明であり、いくつかの断章は同時期に書かれた(同じ文書からの断章という可能性もある)ものと考えられている。しかし、6つの断章の成立時期に関する学術的な合意は得られておらず、ここでもその断定は避ける]
[そして]ウマリルの軍勢[との数々の戦いの末] オーロランの死体が玉座を取り巻くろうそくのように横たわり、ペリナルはアイレイド最後の妖術師の王たちと、重厚なヴェーリアンスで武装した彼らの魔族たちに取り囲まれていた。ペリナルが彼のメイスで床を突くと、その音に敵はひるんだ。彼は「俺を呼び出したウマリルをつれてこい!」と言った・・・ [しかし] 一方、力強さをたたえた顔つきの、邪悪で不死身の金色のウマリルは、接近戦よりも遠いところからの狙い撃ちが好きだったので、白金の塔の陰に長くとどまっていた。さらに多くの兵士たちがペリナルのもとへ送り込まれては死んでいった。彼らはウマリルが[最初の戦いの時から] ため込んでいた長いヴァーリアンスで強化した斧や矢でペリナルの防具を貫くのがやっとだった。[やがて] このハーフエルフは[メリディアの光に包まれて] 姿を現し・・・ 彼のアイレイドーンの血筋を語り、その父、[前のカルパの] 世界河の神について語った。そして、ついに流血し荒い息をつくペリナルを見て喜んだ・・・[文章欠落]・・・[そして] 今やウマリルは地に倒れ、その兜についた天使の顔はへこんで醜く歪んだ。ペリナルはそれを見て笑った。。ウマリルの羽のない翼は[いらだつ] ペリナルの剣によって切り落とされた・・・ ペリナルはウマリルの祖先を侮辱し、全ての古アールノフィから渡ってきた者たちを罵った。[このことを聞いて] エルフの王たちは怒り、憤怒に我を忘れた・・・ [そして彼らは] ペリナルに襲いかかり、彼らの[頼りの] 武器をふるい・・・ ペリナルの体を八つ裂きにした。混乱し雄たけびをあげる[ペリナルの声は] スキフ評議会にすら[聞こえた]・・・[文章欠落]
・・・は[次の朝] モーハスが角で塔全体を揺らしている時に逃げた。あるものは大量虐殺のさなか興奮状態にあり、人間たちは全てのアイレイドを殺そうと待ちかまえていたが、逃げ出した王たちや魔族たちを救おうとするものは全てペリナルに殺された後だった・・・ 王たちが彼らのやったことを証明するために残しておいたペリナルの頭部はモーハスが見つけた。彼らは会話を交わし、ペリナルは後悔を口にした・・・ しかし、反乱軍の者たちはすでに引き返しており、これを聞く者は誰もいなかった・・・ そして、不死身の彼らは[その後もさらに] 話しこんだが、パラヴァントでさえもそれを聞こうとはしなかっただろう。