ニルンをさまよえる原初の神々の中では、トリニマックが最強であった。トリニマックは長きに渡りアルドメリを騙し続け、大いなる断裂への最良の対処は涙を流すことだと思い込ませていた。アルドメリは泣き、先祖たちの名誉を汚した。とりわけアルトマーの女性が目に余った。悪あがきの一環として不在の神の名を乱用し、その語りに疑問を投げかけた。それである時、早熟な若者であった策略の王子ボエシアがトリニマックを騙し、口の中に入るように仕向けた。ボエシアはその後しばらくトリニマックのごとくしゃべり、耳を貸す者を十分に集めた。ボエシアは原初の神々であるエドラの虚言を暴いて見せ、トリニマックが最大のうそつきなのだと彼らに伝えた。それもすべて、トリニマックの声のままで! ボエシアは集まった群衆に三つの角の真実を伝えた。そしてメファーラと共に、サイジックの企ての戒律を伝えた。家の作り方と、その角に埋めるべき物について教えた。肌の正しい見せ方の模範を見せもした。大いなる旅を実現させるための歩き方も教えた。そしてボエシアはトリニマックの口から出て地面に降り立ち、自分の発した言葉がすべて真実であることを証明した。これにより、彼の新たな民は容易に変容せし者となった。