第四紀10年 恵雨の月30日
今日東帝都社から手紙が届いた。レイヴン・ロック鉱山の第3立坑内で、一部の鉱山労働者が壁を突き抜け、遺跡を発見したという。以前彼らが私をシロディールに派遣したのは完全な失敗だった。今度もまた時間の無駄にならなければ良いのだが。助手のミリアスを呼んで、明日の明け方には船でレイヴン・ロックへの帰路に就くつもりだ・・・ ソルスセイムで懐かしいあの家を見られるのはうれしい。
第四紀10年 栽培の月7日
ついにレイヴン・ロックに到着した。町に住むダークエルフの避難民の数には驚いた。元々鉱業には程遠い種族だが、いずれは彼らも立派な鉱山労働者になれるのではないだろうか。ミリアスと私は1日の大半を費やして、我が家の屋根に積もった灰を掃除した。あのいまいましい火山は、いまだにほぼ絶え間なく噴火を繰り返しているのだ。すべてを覆う灰さえなければ、ほぼ美しいとさえ思える眺めなのだが。
第四紀10年 栽培の月8日
これからミリアスと共にレイヴン・ロック鉱山へ向かう。鉱山労働者たちが発見したものを見に行くのだ。それが何であろうとも。途中で懐かしのスウィング・アンド・スクープに寄って、物資をいくらか仕入れて行こうと思う。備えあれば憂いなしだ。
第四紀10年 栽培の月9日
鉱山労働者たちがぶち抜いたのは、古いノルドの墓地の壁のようだ。スカイリムでこの類のものを見た事がある・・・ ノルドどもの墓地はそこら中に散らばっているが、そのほとんどは一度も地図に載った事がない。ここは“ブラッドスカル一族”と呼ばれる何かの墓地のようだ。墓碑銘の写しを取っておこう。そしてもっと詳しい情報がないか、手持ちの歴史書を確認してみよう。
第四紀10年 栽培の月10日
数日経つが、この一族に関する記述がひとつも出てこない。ミリアスと私は先に進む決心をした。かがまなければ進めないところまで来たが、下には巨大な部屋が見えている。かなりの時間を費やして、すべての荷物を下に降ろし、垂直に近い急斜面をはい降りた。
第四紀10年 栽培の月11日
目覚ましい発見の1日だった! 急斜面の下の大きな部屋を探検した際、何らかの台座の上に、今まで見た事もないほど奇妙な刀剣が置かれているのに気付いた。刀剣は、見た目には傷ひとつなく、かすかに冷たい光を放っている。この部屋について書かれた羊皮紙の切れ端を見つけたが、そこでは“ブラッドスカルの刀剣”と呼ばれているようだ。台座から取り外すべきかどうかはまだ判断がつかない。一晩寝て結論を出そうと思う。
第四紀10年 栽培の月12日
自分でも最良の判断とは思えないが、ブラッドスカルの刀剣を台座から取り外す事に決めた。ミリアスは完全に反対のようだが、この墓地を出る方法が見つかった時に、驚くべき秘宝を置いては行けない。
第四紀10年 栽培の月13日
ミリアスの意見に耳を貸すべきだった。刀剣が持ち上がるや否や、ドラウグルが私たちに襲いかかってきた。ミリアスは勇敢に戦ったがやられてしまった。私はどうにか残りの連中を退治したが、深手を負った。立っているのもやっとだ。生き残るにはここを出る方法を見つけだすしかないが、どうも閉じ込められてしまったような気がする。
第四紀10年 栽培の月14日?
探検は遅々として進まない。一度に数分移動するのがやっとで、すぐに休憩が必要になるからだ。物資は底をつきかけており、自分自身も刻一刻と衰弱しているように感じる。見慣れぬ模様が描かれた奇妙な扉を見つけた事が唯一の成果だ。
通り抜けられなかったところを見ると、この模様には何か私が気付いていない意味があるのだ。少しでも先へ進むには、これをもっと研究しなければならないが・・・ 意識を保つのもぎりぎりの状態だ。
問題を解決するにはブラッドスカルの刀剣を使わねばならない。その点はまず間違いない。刀剣を振るうと、超自然的なエネルギーが帯状に放たれているのが分かる。思うに、刀剣を様々な方向に振るって帯を操り、扉が投げかける謎が何にせよ、それを解く事ができるのではないだろうか。早くこれを試せる体力が戻れば良いのだが・・・ 一振りするにも凄まじい努力が必要だ。
最後の記入
どれほどの時間が過ぎたか分からない。そして私は力尽きかけている。もう立つ事もできない。傷は一向に良くならない。残念だが、この墓地が私の墓となりそうだ。誰かこの日記を見つけたら、どうかこのメモを東帝都社の上司たちへ届けてくれ。そして、妻に愛していると伝えてくれ。
アーケイが私を永久の眠りに導いて下さいますように。